森を歩く① -鈴ノ大谷編-
吉賀町の椛谷(かばたに)地区にある鈴ノ大谷(すずのおおたに)山は、かつてこの地域を治めていた津和野藩の御立山(おたてやま※藩の直轄林)としてモミやケヤキなどの原生林が保護されてきた歴史があります。 その後、明治に移り変わるとともに森は国有林となり、続く昭和期に入ると国内の木材需要の高まりに応じるため、多くの「木こり」たちが原生林へと入り、伐り出した巨大な木材を運ぶ森林鉄道や製材所、また彼らの家族を中心とした集落までもを含んだ、西日本有数の一大伐採拠点をこの地に築きました。 それももう一世紀近くの昔の話となり、今では立ち入る者もまれなその森。けれどそこには未だ往時の遺構が残されているといいます。 私が森や樹木について教わっている益田市在住の「森林インストラクター」津島辰雄さん(NPO「日本に健全な森をつくり直す委員会」の委員も務めていらっしゃ…続きを読む